「白書」で見えるもの

6月28日、閣議後に
平成17年「情報通信に関する現状報告」(情報通信白書)の公表
がされた。その概要の目次をピックアップすると以下のようになる。
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? 国民・企業のユビキタスネットワーク利用
1 u-Japan
2 国民のユビキタスネットワークへの期待
3 企業のユビキタスネットワークの利用動向
ユビキタスネットワークの活用事例
5 今後の日本の課題とユビキタスネットワークによる解決策

? 国民のICT利用
1 ICT利用の進展
2 国民生活の変化
3 コミュニケーションの活性化
4 ネットショッピング
5 コンテンツ

? 企業のICT利用
1 ICT利用の深化
電子商取引の拡大
3 ICTを利用した新ビジネスの拡大

? u-Japanを支えるネットワークインフラ
1 ブロードバンド化の進展
2 モバイル化の進展
3 ネットワークのIP化の進展
地上デジタル放送の普及
5 情報通信機器、情報通信技術の日本の優位性

? u-Japan実現に向けた課題
1 安心・安全なICT利用
2 デジタル・ディバイド
3 バックボーンインフラ
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もちろん、今回の情報通信白書のテーマは「ユビキタス

民間の調査会社は
ユビキタスコンピューティングに関する意識調査
の中で
ユビキタス・コンピューティングという言葉の認知度は30.2%
ユビキタス・コンピューティングという言葉をどの程度認知しているかを集計したところ、およそ3割が「知っている」と回答した一方で、「知らない」という人が4割を超えている。言葉としての「ユビキタス」の普及は、まださほど進んでおらず、知らない人が半数に近い状態である。」
としているが、日本政府なのか総務省なのかはしらないが、日本が世界に誇るケータイとFTTHをつなげるキーワードをベースにした u-Japan (u-Japanとは、社会の様々な課題がICTによって解決された後の2010年の我が国の姿。その理念は「ユビキタス」「ユニバーサル」「ユーザー中心」「ユニーク」の4つだが、中心は「ユビキタス」。「人とモノ」、「モノとモノ」とのコミュニケーションが特徴) という姿勢を貫いている。

でもその情報通信機器、情報通信技術の日本の優位性が
◇ 我が国は情報家電及び関連部品に強み。携帯電話機自体の市場シェアは低いが、携帯電話機関連部品では強み
◇ ユビキタスネットワーク関連技術では、「FTTH」、「次世代携帯電話」、「ネットワークロボット」等で日本は優位。他方、「発信源追跡技術」等の安心・安全のためのICTでは北米が優位
というのでは苦笑せざるを得ない・・・

韓国でも5月末に『2005韓国インターネット白書』が出されたという。その目次を記事からピックアップ。
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特集
特集1 [政策イシュー] IT839戦略でのインターネット
特集2 [産業イシュー]携帯インターネット産業

第1編インターネット産業および利用者
第1章国内インターネット市場動向および展望
第2章国内外インターネット利用現況
第3章部門別インターネット利用現況
第4章国内企業の海外進出現況

第2編 インターネット サービス
第1章 インターネット コンテンツ
第2章 e-ビジネス
第3章m -ビジネス
第4章 電子政府サービス
第5章 新規サービス

第3編 インターネット文化と逆機能対応
第1章 インターネット文化
第2章 インターネット逆機能対応

第4編 インターネット関連法・制度および政策
第1章 次世代インターネット政策
第2章 インターネット ビジネス活性化政策
第3章 通信・放送融合政策
第4章 情報保護政策
第5章 インターネット関連法・制度

第5編 インターネット インフラ現況および動向
第1章 バックボーン網
第2章 加入者網
第3章 広域統合網
第4章 インターネット新技術

第6編 海外インターネット
第1章 世界インターネット産業動向
第2章 アジア市場
第3章 米国市場
第4章 ヨーロッパ市場
第5章 国際インターネット標準化機構動向
第6章 インターネット ガバナンス

付録
国内ISP現況
世界展示会現況
国内展示会現況
世界インターネット業界ニュース
国際インターネット標準化機構
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Internet Magazine の最新号の特別付録についていた「ISP接続図で見るインターネット成長史」を見ながら、思わず「歩くネット化石ぶり」を口走りそうになった私としては、誰か両国の白書からインターネット比較記事を書いてくれないかな〜、と願わずにはいられない。