FTTHに対する認識

三大一般紙、つまり大衆に対して影響力の強い朝日新聞のオンラインに昨日、こんな記事が出た。
光ファイバー、普及手探り ADSLに比べ高い料金
うーむ、微妙に認識のズレを感じるのは私だけなのだろうか。
光ファイバー回線の家庭への普及が伸び悩んでいる。】
もちろん、NTT東西が目標に掲げたBフレッツの加入者数に達しなかったり、TEPCO の動向が見えない、ので
【家庭周辺まで整備が進み、光回線を利用可能な環境にあるのが3千万世帯以上もあるのに、契約数は昨年末で約240万件。2010年までに3千万件という目標を掲げるNTT東日本・西日本は05年度、2社計180万件の増加をめざすが、達成できても累計約350万件。KDDIは「07年度までに300万件」、ソフトバンクは「早期に100万件」とするが苦戦が続く。 】
という部分はありますが、
MM総研調査、ブロードバンド加入者数は1,930万件。FTTHの競争が本格化
というのは、インターネット業界にいる人間であれば、うなづく調査結果だと思います。
【最大の理由は料金。ADSLでは各社の低価格競争で月3千円程度に下がった。光回線は月6千〜7千円でほぼ倍。】
かなり先入観が強いような気もします。
総務省が昨日発表した
全国均衡のあるブロードバンド基盤の整備に関する研究会 最終報告「次世代ブロードバンド構想2010」(案)に対する意見募集
の中にある
次世代ブロードバンド構想2010
の中の
第1章 ブロードバンド・サービスの提供動向
でも、【当初、FTTH サービスの料金はDSL サービスよりも割高8であり、加入者数
の伸びもDSL 加入者数のそれよりも比較的緩やかであったが、2004 年に入っ
て、有線ブロードネットワークス(現USEN)の集合住宅向けFTTH サービ
ス「BROAD-GATE 01(TypeV)」(月額2,980 円(ISP 料込み))、ケイ・オプ
ティコムの戸建て向けFTTH サービス「eo ホームファイバー」(月額4,900 円
ISP 料込み))等、DSL サービス料金並みの低価格サービスが提供されるよ
うになってからは、加入者数も急速な伸びをみせているところである。】
と記載されているのですけどね。
※この総務省発表に関しては、本日、主要なオンラインでピックアップされていなかったのは、関心が低いから? それとも膨大な資料を読むのに時間がかかるから? 突込みどころは色々あると思うのだが・・・
【ADSL大手イー・アクセスの千本倖生会長は「光回線事業は低料金では厳しい。世界的にもADSLが多い」と語る。 】
というAsahi.com の引用はちょっと・・・以下に日本国政府が戦略として掲げている割にはあまり支援をしていないか、という見方もできますからね。
【また、加入者数を主な諸外国と比較した場合、ブロードバンド・サービス全
体の加入者数は米国に次ぐ地位にあり(中国を除く)、特にFTTH(光ファイ
バ)の加入者数については日本が1 位となっている。】
という総務省の記述もブロードバンドに関する一面だけに言及していると思う。
FTTP awakening
New data show rapid FTTH growth
という記事とかを読んでいると、米国でそれなりの FTTP 関連機器の開発が進んで、CATV が優勢な市場が変わってしまうかも・・・という気もしてくる。もちろん、日本と違って競争が激しいので思い通りには行かないでしょうし、今のブッシュ大統領は【2004 年3 月にブッシュ大統領が「2007 年までにブロードバンドテクノロジーへのアクセスを米国どこからでも安く行えるようにするべきである。」と具体的年限を示して表明。】としている割にはITに弱いですからね。でもあと3年経って、大統領が変わったら、また市場もドン! と変わる可能性もありますからね。

どうも日本のメディアはネガティブな物言いが強い気がしますが、どうでしょ?
もちろん、総務省がもっと頑張ればいいのかもしれませんけどね。
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(1) ブロードバンドが急速に普及し、日常生活やビジネスを支える社会インフラ
としてのブロードバンド基盤の重要性が増していく一方、ウィルス、不正アク
セス行為、迷惑メール等による被害の増加が懸念され、品質・セキュリティの
向上が大きな課題となっている。
(2) また、昨年相次いで起こった新潟県中越地震等の自然災害時は、音声通話輻
そう時の安否確認手段として電子メール、インターネット上の災害用伝言板
のデータ通信が有効であった17。災害時の重要通信の確保という観点から、ネ
ットワーク障害や自然災害に強い、ユーザーが安全・安心に利用できるインフ
ラに対するニーズが高まっている。
(3) また、最近では、「トリプルプレー」に代表されるように通常のインターネッ
ト接続サービスに映像配信、IP 電話を重畳したブロードバンド・サービスが普
及してきており、IP 電話サービスの中には緊急通報機能を備えたものも登場し
ている。高いリアルタイム性の確保という観点から、インターネット接続サー
ビスのみに利用されるブロードバンド基盤よりも信頼性の高い基盤の整備が求
められている。

整備の対象については、ユーザや地域のニーズに応じ、多様なブロードバン
ドを技術中立的に整備する考え方や、内外における光ファイバに対する需要の
高まりを踏まえ、光ファイバによるFTTH を集中的に整備する考え方等があり
得る。
インフラとしての光ファイバの高速大容量性、安定性等の特性については異
論のないところであり、最終的には光ファイバ網の全世帯への整備を目標とし
つつも、上記のようなことを踏まえ、本報告では、2010 年までの5 年間につ
いて、技術中立的アプローチにより迅速な整備を図る方策を採用することを基
本スタンスとしている。
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今後のブロードバンド整備に関する目標
でかなり問題意識も喚起されているようですからね。