復帰、復帰、改行

標題は呪文のようですが、実はコマンド・キーなのです。これが何のコマンド・キーか分かる人は多分今はほとんどいないのでしょうね。これは20年以上前のKDDTELEX のコマンド。まだテープの穴で修正ということをしていた時代の話。何故こんな古い話を思い出したのかというと、アフリカで急速に普及する携帯電話の利用事情調査 - 経済成長にプラス影響という記事を読んだから。その中で、以下のような記述があります。
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今回の調査結果から、アフリカにおける携帯電話利用は、特に経済成長に大きな影響を与えてきたとの分析が発表された。例えば、過去5年間にエジプト国内の企業が用いる携帯電話の数は547%の増加を記録したのに対して、ファックス機の数は325%の増加、固定電話回線数は71%の増加にとどまったとされる。南アフリカ共和国では、同期間に企業が用いる携帯電話の数が125%の増加を見たのに対して、ファックス機の数が53%の増加、固定電話回線数が15%の増加にとどまったとされている。
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FAX の普及によって、TELEX は廃れていき、今や名刺に TELEX 番号が記載されているのは、商社くらいでしょうか。まだ開発途上国と呼ばれる地域では TELEX を使用しているはずですからね。

さて、「情報通信技術を最も活用している国はシンガポール,米国は5位,日本は8位」という記事が出ました。これは、世界経済フォーラム(WEF:World Economic Forum)が発表した世界104カ国における情報通信技術(ICT)の活用状況について調査したGlobal Information Technology Report の中の「Networked Readiness Index Rankings(ネットワーク対応度指標)2004-2005」で明らかになったこと。

1 シンガポール 1.73
2 アイスランド 1.66
3 フィンランド 1.62
4 デンマーク 1.60
5 米国 1.58
6 スウェーデン 1.53
7 香港 1.39
8 日本 1.35
9 スイス 1.30
10 カナダ 1.27
11 オーストラリア 1.23
12 英国 1.21
13 ノルウェー 1.19
14 ドイツ 1.16
15 台湾 1.12
16 オランダ 1.08
17 ルクセンブルク 1.04
18 イスラエル 1.02
19 オーストリア 1.01
20 フランス 0.96
21 ニュージーランド 0.95
22 アイルランド 0.89
23 アラブ首長国連邦 0.84
24 韓国 0.81
25 エストニア共和国 0.80

出典:World Economic Forum

さて、何故シンガポールが一位なのか? それは「シンガポールは、「数学および科学の教育水準」「電話料金の値頃感」「政府によるICTの調達と優先度」などの項目が他国に比べ抜きん出ているほか、「インターネット接続料金の値頃感」などでも高得点を獲得している。シンガポールの好成績は,ICTの普及と活用を推進する政府の継続的な取り組み、優れた教育制度,外国技術の積極的な導入などが奏功した結果である。 」ということになっています。原文は以下の通り。
Singapore tops the rankings of the Networked Readiness Index 2004-2005 for the first time. This is primarily due to its superior performance in terms of the ability of individuals and government to tap into the potential of ICT, as well as actual government usage of ICT. Singapore’s remarkable performance is a consequence of the government’s consistent and continuous efforts in fostering ICT penetration and usage, as well as the quality of the country’s educational system and its able use of foreign technology.
また追加のコメントとして
Singapore is an excellent example of a country that has been able to make in a relatively short period of time enormous progress in putting ICT at the service of improved living standards. Together with a handful of other economies (Taiwan, Israel, United Arab Emirates, Korea, Estonia, among others), Singapore’s experience highlights the increasingly central role played by technology as an engine of growth and competitiveness, even beyond the borders of the rich industrial countries
とも書かれています。
ではアフリカは?
South Africa and Tunisia strengthen their dominant positions among the 23 African countries covered by the Index, positioning themselves in 34th and 31st place overall, up from 37th and 40th position last year respectively. Mauritius ranks 47 and Botswana ranks 50. Botswana has improved its position by 5 places.
とあるので、南アフリカチュニジアが30位以下に入っていますが、まだまだこれから・・・

さて、日本はもうインターネット接続料金の値頃感」ではこれ以上下がりようがないでしょう、というところまで来ていると思うのですが、「数学および科学の教育水準」は最近のニュースではちょっと不安な部分もあるし、「電話料金の値頃感」はまだNTTによる値下げはこの調査には反映されていないのでしょうし、「政府によるICTの調達と優先度」に対して大きな疑問を持つのは私だけではないでしょうから。総務省の人たちはこうしたレポートをどんな気持ちで読むのでしょうかね。まあ、情報通信白書は自分達 (これが日本という国なのか、総務省なのかは読む人の判断によるかもしれませんが) に都合の良い部分しか掲載されないのかもしれないので、その実態を知る術もありませんが。韓国などは問題意識をはっきりと打ち出すので潔い政府かもしれませんね。でも、大金を投じたテレビ会議が政府によってまだ活用されていない、というのはトホホかもしれませんが。いや、日本政府はこうした試みでも遅れている?
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