よく分からない周波数の色々

ライブドアとフジテレビとニッポン放送の動きを横目で見ながらなのか、総務省からメディア集中排除の行政指導が出たのが先週。
一方、3月7日、「平成16年度電波の利用状況調査の調査結果(暫定版)」の公表及び「平成16年度電波の利用状況調査の評価結果の概要(案)」に対する意見の募集を発表した。
*****
770MHzを超え3.4GHz以下の電波の利用状況については、評価の結果、おおむね適切に利用されていると評価できるが、一部の電波利用システムについては以下のとおり評価。
(1) 周波数の再編の進捗状況を注視する必要があるシステム
周波数割当計画において、既に割当周波数帯幅の削減又は他の周波数帯への移行が定められている次の無線利用システムについては、現在、周波数の再編が進められているところであるが、削減又は移行が期限までに完了するよう、無線局数の推移等を注視する必要がある。
・800MHz帯MCA陸上移動通信(割当周波数帯幅の削減)
・1.5GHz帯MCA陸上移動通信(割当周波数帯幅の削減)
・空港無線電話通信(400MHz帯への移行)
・地域防災無線通信(260MHz帯への移行)
(2) 次のシステムについては、周波数の一層の有効利用を進めるための方策を今後検討する必要がある。
【周波数有効利用方策等の検討が必要な主なシステム】
・800MHz帯FPU (狭帯域化等の更なる周波数有効利用方策の検討)
・パーソナル無線(不法無線局対策、システムの廃止による影響等も含めた周波数有効利用方策の検討)
・950MHz帯音声STL/TTL (有線系への代替又は他の周波数帯への移行を含めた周波数の有効利用の検討)
・1.5GHz帯携帯無線通信(1.5GHz帯MCA陸上移動通信の割当周波数の削減等を考慮した今後の周波数の有効利用の検討)
・1.9GHz帯加入者系無線アクセスシステム(ブロードバンド化への対応を含め他の電気通信サービスへの代替について検討)
(3) 地域における周波数有効利用方策
全国的なシステム等に割り当てられている周波数帯域であっても、山間部等の比較的周波数需要が高くない地域において、当該割当帯域のうち空いている帯域がある場合には、現行システムの需要動向や地域性等を踏まえることにより、他のシステムを導入できる可能性もあることから、地域における周波数有効利用方策について、今後柔軟に検討することが望ましいと評価。
*****

ソフトバンクが現在のケータイ事業者の仲間入りをすることは駄目だったということはわかるのだが、どうしてもこのあたりの話がわからないので、これに関係するのかな? と思うトピックスを拾ってみる。

「法改正でIEEE 802.11aの既存製品と新製品がつながらなくなる?」
電波開放政策とは、「新しい電波ビジネスを育成するとともに世界最先端のワイヤレスブロードバンド環境を構築するために大量の電波を開放していく」ための総務省の取り組み。総務省はこの戦略の中で、現在IEEE 802.11aなどで利用している5GHz帯を無線LAN向けにさらに開放する方針を示している。
この5GHz帯の新たな開放がユーザーに与える影響は大きく2つ。1つは「IEEE 802.11a製品のチャネル拡大」、そしてもう1つが「既存のIEEE 802.11a製品のチャネル変更」。
現在日本国内では、5.15〜5.25GHzの帯域をIEEE 802.11aで利用しているが、この帯域のチャネルの利用形態は欧米と異なっている。日本国内では、IEEE 802.11aの利用帯域と隣り合う5.25〜5.35GHzが気象レーダー用に広く利用されており、無線LANが気象レーダーへ干渉を与えないよう、両帯域の境目となる5.24GHz〜5.25GHzという10MHz幅をガードバンドとして設けているためだ。しかし、5月に予定されている総務省の告示以降に発売されるIEEE 802.11a製品は、ガードバンドのない新たなチャネルに対応する。この結果、新製品と既存の製品との間ではチャネルが異なるために、お互いが通信できなくなる事態が発生してしまう。まあ、これは無線LAN製品を出している会社が既存製品向けにチャネル変更のためのドライバやファームウェアを公開することで決着が着くらしい。
一方のIEEE 802.11aのチャネル拡大に関しては、従来の5.15〜5.25GHzという4チャネルに加えて、新たに5.25〜5.35GHz帯の4チャネルが追加され、合計8チャネルを選択できるようになる。
また、総務省では5.25〜5.35GHzのほかに、屋外でも利用可能な5.47〜5.725GHzも新たに開放する方針を明らかにしている。5.47〜5.725GHzは屋外でも利用が可能なため、FWAといったラストワンマイル用途としてキャリアの要望も強いという。

おや、最後の部分が気になるところですね。そのあたりをもう少し細かく解説したものを探したら「“Rosedale”を武器に普及を目指すIntelのWiMAX戦略」という記事を見つけました。ここでは日本での WiMAX普及についてはちょっと悲観的なのですが、「周波数共用をめぐる技術と政策の動向」という記事ではまだまだこれからどうにでもなるような気もしてきます。でもWiMAXでストレスのないモバイル環境が実現するのはいつのことなのでしょ・・・