050番号から緊急電話

1月25日の総務省はケータイ関係ばかりでなく、VoIP関連の検討会も開催されていた。
050番号のIP電話から110番通報を可能に,総務省が技術案固める」という記事になっていて、そのメイン部分は以下の通り。
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報告書案で注目されるのは,050番号からの緊急通報の扱い。050番号のIP電話サービス提供事業者には,(1)ソフトバンクBBのように回線からIP電話まで1社で提供,(2)NTTコミュニケーションズのようにインターネット接続事業者がIP電話事業者,(3)ニフティのように他のIP電話事業者のサービスを利用──の大きく三つのパターンがある。このため報告書案では,IP電話ユーザーの個人情報を事業者間でどのように受け渡すのかについて定めた。
 なお報告書案では,緊急通報の義務化については言及されなかった。このため現状の電気通信事業法の規制である,(1)0AB〜J番号のIP電話は緊急通報が必須,(2)050番号のIP電話は特に定めがない──という状況に変わりはない。ただし050番号の緊急通報の技術的な枠組みが決まれば,メーカーや事業者が対応を検討し始める見通し。各社の競争などで,050番号のIP電話でも緊急通報の機能が事実上の標準となる可能性がある。
 総務省は,1月末から報告書案に対する意見を募集。3月中に取りまとめ,情報通信審議会への答申がなされる見込みだ。
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さて、その050番号は2004年末で1800万突破という勢い (050番号の配布を始めた2002年11月の時点では,総数は660万) なのでこうした施策が必要なのですよね。

日本でのIP電話に関する統計は「電気通信サービスの供給側/需要側の動向調査(平成16年度)(ブロードバンド/IP電話/データ通信(法人利用))」(平成16年度市場の現況1)の一部として発表されました。まあ、順当。
※しかし、FTTHに関する調査で一部わかりづらいところがある。ブロードバンド契約数等の推移【平成16年9月末現在】をまとめたものなのだが、いまいち説明不足・・・また日経コミュニケーションに掲載される解説を待つしかないのか・・・

この数字が、2月1日からサービス開始の「Bフレッツ」の月額利用料値下げ等の実施及び 「ひかり電話」の戸建住宅向けサービス提供開始についてによって変わっていくのでしょうか・・・ちなみに「ひかり電話」の特徴は
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(1)低廉な通話料金
 加入電話等への通話については、全国一律8円/3分(税込8.4円/3分)の低料金で利用することができます。
(2)加入電話等と同様の「0AB〜J」電話番号の利用
 音声パケット信号を優先的に転送し、遅延・パケット損失を防止することで、固定電話相当の音声品質を確保し、「0AB〜J」番号の利用を可能としました。
 現在、NTT東日本が提供する加入電話等でご利用いただいている電話番号がそのまま利用可能です。(同一設置場所で利用する場合に限ります。また、一部ご利用できない場合があります。)
 加入電話等をお持ちでない方も、加入電話等と同様の電話番号でIP電話が利用できます。
(3)緊急通報の利用
 緊急通報(110番・118番・119番)が可能です。
(4)多彩な付加サービス
 キャッチホン、ボイスワープ、ナンバー・ディスプレイ等の付加サービス機能が利用できます。
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だそうです。「Bフレッツ ハイパーファミリータイプ」を使うことが前提で、付加サービスには追加料金がかかりますが、きっと色々なキャンペーンが展開されるのでしょうね。

さて、米国の VoIP 事情は CATV の Comcast により大きな変化をするかもしれない、という話がありますが、その内容はといえば
(1) 定額制 (月39.95ドル) - この業界のパイオニア Vonage の約2倍
(2) 緊急電話対応 - Vonage と同じ
(3) QoS 保障 - Vonage は ベストエフォートのインターネットベースだが、Comcast はプライベート IPベース
(4) 電源が落ちてもモデムに付属したバッテリー・バックアップで通話継続
というもので、これで1,500万家庭にサービス提供するのだそうです。(3)と(4) による差別化が本当にユーザの「サブスクリプション」を促すのか要チェックです。
※この「サブスクリプション」に関する面白い記事がありました。Outlookのサブスクリプション、「それってお得なの?」です。