だって何のためだかわからないもの

住基カードの交付枚数36万枚で普及率0.28%、多目的利用も進まずという記事が掲載されているが、目的意識がないものに対して誰も積極的には動かないのだから、当たり前といえば当たり前。総務省では「2004年3月末時点での住基カード交付枚数が約25万枚(人口比約0.2%)であったことから、「全国的に交付枚数は少ないものの、着実に増えつつある」としている」らしいが、交付枚数が多かった団体は宮崎県宮崎市(3万4834枚)、横浜市(1万378枚)、島根県出雲市(7108枚)、大阪市(6666枚)、札幌市(5746枚)などという枚数を見るにつけ、その人口比を考えるとこの住基カードをビジネス・チャンスとしていた企業が気の毒にも思えてくる。だいたい、「自動交付機対応、公共施設予約など住基カードの多目的利用を整備している団体は81(うちサービスを実際に提供しているのは54団体)。8月末の市町村数は3087団体。住基カードの独自利用環境を整備している自治体は全体3%にも届いていないことになる」というのであれば、もし落としたら自分のプライバシーはどこに? という事態になるのだから、ねぇ。ここで一つ疑問。この住基カードを取り扱っている自治体や団体はどの程度、プライバシーマークなどの認定を持っているのでしょうか・・・

さて、オーストラリアでは実装が始まった電子パスポート。今度は米国での実装が予定されているのですが、米国政府が進めているパスポートへのRFID搭載に、各国の人権団体が反対を表明しているのだそうだ。暗号化が施されておらず、セキュアでないというのがその理由。まあ、何をやっても「万全」ということは無いのですが、少なくとも「ACLUが情報公開法によって入手した政府文書によれば、米国はパスポートに組み込まれるRFIDチップのデータ暗号化セキュリティに関する専門家からの助言を無視しているという」というのであれば、危ないよね。『暗号化が施されていないことは、旅行業界の支持を得るための「ファウスト的取引」だと、旅行技術の専門家であるエドワード・ハスブルック氏は警告する。同氏によれば、データをオープンにしておくことで、電子チケットや搭乗券、マイレージカードといったものにも利用できるからだという』のはちょっと違う気がする・・・

どこかで読み取られた自分の住基カードやパスポートが偽造されて、どこかのアジアの危ない国のスパイが使っていたらどうします?