日本のISPの実態

先週半ば、日経産業新聞上で「第4回全国インターネットサービスプロバイダー調査」の結果が発表になった。
疑問がフツフツ・・・

1) この調査は日本経済新聞社と社団法人日本インターネットプロバイダー協会 (JAIPA) が共同で実施。それなのに、そのJAIPAの会長を務めている渡辺さんの会社、ニフティ株式会社の情報が出ていないのは何故?

ニフティは、2004年3月時点で529万という数字をどこかで見た気がする。今回の調査の一位のソフトバンクBBの428万よりも100万も多いのだから堂々と発表すればいいのに。しかし、以前より会員数が減少しているのを見せるのが嫌なのか・・・

2) 営業黒字を確保したプロバイダーは36.1%。赤字プロバイダーは17.1%と収益は改善傾向にある、と書かれているが本当?

一位のソフトバンクBBの赤字だけを見てもものすごいと思う。
例えば、2004年第一四半期は
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2004年度第1四半期の売上高は、前年同期比で434億円増の1,473億円で、営業損益は前年同期比で203億円の損失幅を縮小、38億円の損失となった。経常損益も189億円を縮小して116億円の損失となり、当期純損益は178億円の損失となった。
 同社のブロードバンド事業を除いた営業損益は、前年同期比から約3.2倍となる145億円を達成。孫氏は「ブロードバンド事業以外は大幅に伸びており、このトレンドは今後数年間続くだろう」との見通しを示した。
 ブロードバンド事業の営業損益は183億円の損失で、個人情報漏洩の影響を受けて直近では伸び悩んでいるという。
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という結果ですもの。

有効回答が32%ということは、赤字ISPは回答を控えたか、それとも赤字が続いたISPはもう既に淘汰されたのか。実際、上位30ISPの中で合併とかに関係無いISPはとても少ない。。。

3) IP電話やウィルス対策がは事業展開へ「有望」

サービス加入者はそれなりの数字となると思う。しかし、事業展開として有望かと考えるととっても疑問。こうしたサービスを提供しなければ会員が移動していくというのは事実としてある。手がかかったり、その割には金額が低いのだから、儲けられる事業と聞かれると「・・・・」答えられないと思うのだが。

4) 接続事業では約6割が光サービスに今後力を入れると回答

この時点でのネット接続環境は
1) ADSL 62.9%
2) CATV 13.1%
3) 光ファイバー 11.7%
4) ISDN の常時接続 4.3%
5) ダイアルアップ゜ 3.1%
6) その他1.8%
7) ISDNダイアルアップ 1.7%
8) 無線 1.4%
ふーむ。

ケータイからのインターネットアクセスが異常に多い国、日本。その意味ではトップISPNTT DoCoMoになるのかも。実際、ケータイのARPUはこうしたwired ISPARPUとは比較のしようがない気もする。

ネットにつながって色々な情報が簡単に収集できるのはとても結構なこと。でもお金を稼ぐのは別物。。。