何でもブロードバンド化〜ケータイ

今朝の日経産業新聞にも、ダウ工業株から米国の通信巨人AT&Tがはずされた話題が出ていたが、2月末、米国でかなりヒートアップした話題は AT&T Wirelessを Cingular が410億ドルで買収という話。
さて、Cingular はどうしてあんなに綱渡りとも言える買収劇を行ったのか? 疑問に思ったのは私だけでは無いので、当然記事になっています。ただし、日本語ではないので、英語で読める方は Clift's Edge で検索してみてくださいな。さて、その内容は、「Clift」とは Cingular Wireless の Chief Technology Officer のBill Cliftのこと。 Cingular Wireless のネットワークに関するこの人の言葉は Department of Justice (法務局) や FCC (アメリカの連邦通信委員会) の承認を得なけりゃならないとか面倒。でも推測するに、というのがこの記事の前提。(ちなみにこの記事を掲載している Telephony という雑誌は米国通信業界ご用達だからまんざらデマではありますまい) さて、何故 AT&T Wireless なのかといえば、それは EDGE という技術のせい。EDGE (Enhanced Data GSM Environment) は『GSM方式、TDMA方式の携帯電話網を使ったデータ伝送技術の一つ。GPRSの後継技術に当たり、第3世代技術(3G)のひとつとして扱われている。最大で384kbpsのデータ転送が可能。すでに広く普及しているGSMをベースとした方式であるため、既存の通信設備を有効利用することができる。「UWC-136」方式として新世代携帯電話の国際標準「IMT-2000」規格の一方式として採択された。ただし、最高性能などはCDMAをベースとした他の方式には劣るため、CDMA方式が成熟までの過渡期の技術という見方が強い。』と言われています。
さて、この Clift 氏、2社のネットワーク統合を担当するわけですが、AT&T Wireless は25,300、Cinglar は21,800基地局を持っています。両方を併せると、米国のトップ100マーケット (カバーする地域と考えた方がわかりやすい) のうち 97を網羅。米国は地域、それも契約者が多い地域を持つことが『もうけ』なのですから。それで、この買収の410億ドルはどんな意味を持つのかといえば、この既存のネットワーク機器を活用することで10億ドルは削減することができると見られている。
Cingular はインディアナポリス地域でこの EDGEテクノロジーを最初にインプリしたキャリア。で、AT&T Wirelss は後発ながら全国で EDGEサービス提供中。米国は3Gの導入にモタモタしている、という話ですが、日本のように、どーんと3Gというのは本当にお金のかかる話なので、こうした動きは無理なからぬ話。
さて、EDGEサービスは完全にAT&T Wireless の買収が終わる今年の末まで動きは無いかも知れないと見られていますが、その間、まったく何もしないわけにはいかない。では、夏にサービス提供開始予定は? Push-to-Talk です。この技術、前にも書きましたが、かなりホットですね。