どこまで本気?

昨日、日経のオンラインで見つけた記事。
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国内の電話網を全面IP化・総務省、2007年までに
 総務省は2007年までに国内の電話網を、インターネット技術を活用する次世代通信網に切り替えるよう通信事業者に求める方針を固めた。年内にも技術規格を検討する官民組織を発足、国際標準規格として提案していく。新通信網は設備投資コストが従来の電話網の半分以下とされ、通信料金の一段の低下を促す狙い。世界に先駆け新通信網に移行し、技術面での主導権も確保する。
 「次世代通信ネットワーク(NGN)」と呼ばれる新通信網はインターネットで使うIP(インターネットプロトコル)技術を活用。高額の交換機を使わず、ルーターと呼ばれる低価格の機器でネットワークを構築する。現在のインターネットより通信の安定性やセキュリティー機能を向上しながらも、従来の電話網に比べて設備投資や保守費用が少なくて済み、通信料金の低下につながると期待されている。
[2005年7月19日/日本経済新聞 夕刊]
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えーっと、NGNに関しては
未来の電話,そして国益をも左右する「NGN」 標準化は権謀渦巻く舞台に
にも書かれているように
「そもそもなぜ通信事業者はNGNへと移行しようと考えているのか。固定電話の長期低落傾向に歯止めがかからないからだ。電話網の維持・管理コストを削減し,新たな収入源を確保しないと将来生き残れないほど,通信事業者は追いつめられている。」
という事情があるので、日本ではKDDI、英国ではBTが名乗りを上げているのですが
「もっとも各国の通信事業者が勝手にNGNを作っていては,相互接続に問題を残す。例えば日本のIP電話のように。日本のIP電話は,各社が独自の仕様を採用しているため,異なるIP電話卸事業者間の接続はIP化されているにもかかわらず,間に交換機やゲートウエイを挟む形が主流。これではIPを使うメリットもコスト削減効果も半減してしまう。 」
という問題も含んでいます。
また、私ですらBTのNGN戦略が色々な関係機器の問題で結構暗礁に乗り上げかねない、という話を耳にしているのですから、日本国政府がそのあたり考えずに物を言ったとは考えたくないですね。ルーターはどこの製品? まさか大金かけて日本のメーカーに開発させる、というわけではありますまい。

まあ、IP電話がもっと使えるようになる、という話であればわかるのですが。
それなら、米国のように緊急電話対応など厳しいルールを急いで整備しなければならないでしょう。

IP電話:ユーザー数、日本が世界一
という調査は「『スカイプ』のようにパソコンで通話し、電話機を使わないサービスは集計対象から外した。」とあるので、
スカイプのVoIPサービス、ボインゴの無線LANホットスポットから利用可能に
という動きを統合すると必ずしも総務省が大好きな「日本が一番!」にはならないかもしれないですけどね。
でもIP電話に対する日本の動きはかなりすごい感じもありますからね。そこに使用されている機器の多くが米国製だとしても・・・