KDDIは一人勝ちできるか?

電気通信事業者協会(TCA)が12月の携帯電話/PHSの契約者数を発表し、年間では、KDDIがドコモを抑えて2年連続の首位となった。また、12月は「ツーカーS」を出して勢いに乗るツーカーは、ボーダフォンを抜いて3位になり、KDDIDDI Pocket に続き、ツーカーを売る予定だったがしばらく様子見という状態になった。そんな状態を見て、野村総研MNP、導入してもしなくてもauの一人勝ちというレポートを出した。

しかし、KDDIは、固定電話、ブロードバンド、ケータイなどすべての通信部分を囲いこむ戦略を推し進めている。同様の戦略を昨年進めていた韓国の通信事業者に関するレポートが「バンドル・サービス」に期待する韓国の通信事業者として掲載されていて興味深い。韓国の通信事業者が「なぜ,バンドル・サービスにこだわるのか。もちろん,他社との差異化が大きな理由の一つだが,もう一つ理由が考えられる。それは,次世代ネットワーク「BcN」への布石である。 BcNとは,携帯電話網や固定電話網(IP電話)やデータ通信,CATV(IP-TV)をすべて統合した次世代ネットワークのこと。データはすべてIP化されてネットワークを流れる。また,50〜100Mビット/秒のアクセス回線を使う。BcNは,韓国のITに関する国家戦略「IT839戦略」の“核”の一つである。 」とある。ALL IP を打って出たKDDI。あれ、大丈夫ですかね・・・

しかし、自分が持っている Vodafone にはがっかりですね。12月の「ボーダフォンは不調。冬の目玉となる3G端末7機種のうち、NokiaMotorola、SonyEricsson製端末が投入されたが、純増数はわずか900。3G契約自体は7万近い増加を見せたが、PDCが大きく純減したのが響いた。」という結果が今後の動きを止めなければいいのですが。。。また、ちょっと僻地に行くと圏外になるし、寒いせいなのか、アンテナが少ないところで通信を試みようとすることがあだになっているのか、ものすごい勢いで電池切れになる3G端末もトホホですけどね。
こんな状況を見ると、昨日行われた総務省の検討会では傍聴席でもきちんと存在感を示していた孫さんが800MHz帯の同社移行案について総務省へ要望書を出す気持ちがちょっとわかりますね。

さて、ケータイの黒電話ツーカーが予想外に売れて本当にユーザが求めていることは少しキャリアの思惑と違うことも見えてきたのでしょうか。カルロス・ゴーン氏が日産を立て直したのは妙なメーカーの思い込みを捨てるところから始まったと今朝の日経産業新聞に書いてありました。さて、通信業界にゴーン氏のようなトップが現れて欲しいと思ったのは私だけなのでしょうか?