電線ネットで世界一のブロードバンド大国? (追記)

またも日経のみのニュース

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総務省は家庭の電源コンセントにパソコンや家電のプラグをつなぐだけで高速インターネットに接続できる「電力線通信」を2006年にも解禁する検討に入る。通信用の大掛かりな配線工事が不要なため、ネットを通じてエアコンや冷蔵庫などを遠隔操作するネット家電が利用しやすくなり普及に弾みがつく。当面は屋内の配線にとどまるが、将来は全国の電線網にまで利用を認める公算があり、光ファイバーと並ぶ通信手段として通信業界の競争を促し、料金引き下げなどの効果も見込まれる。
 学識経験者や家電メーカー、電力会社などで構成する研究会を年明けに発足、解禁に向けた具体的な検討を始める。早ければ来年末までに最終報告をまとめ、電波法に基づき電力線通信を禁止している総務省令による規制の緩和を電波監理審議会(総務相の諮問機関)に諮問、実現をめざす。
 電力線通信は家庭などに電気を運ぶ電力線に通信データも一緒に乗せて送る方式。利用者はこれに対応するパソコンなどのプラグをコンセントに差し込めば、電力と一緒に通信データも取り込める。住居内に張り巡らせた配電線でデータをやり取りでき、家庭にある複数のパソコンや情報機器をつなぐネットワークとして使える。
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総務省は、「ブロードバンド・ゼロ地域 脱出計画」の指針案を公表して、民間依存だけではこれ以上は無理ということを認めた。「民間事業者の活発な競争によりブロードバンドサービスが急速に普及したものの、ブロードバンドサービスが利用できる地域とできない地域の間でデジタルディバイドの拡大が問題となっており、その解決が急務となっているとしている。こうしたデジタルディバイドは事業者間の競争のみによる解消は困難であり、国や地方公共団体が民間事業者と連携しながらブロードバンドサービスの基盤整備を進めることが重要だとして、地方公共団体の迅速な取り組みを促すものとして指針案を策定した。」

まあ、しかし、ADSL事業者も FTTH事業者もある程度、精一杯という部分も出てきたので、今度はアメリカや中国などで実験が進み、日本でも東電などが実験している電力線通信に望みを託すというように見えますね。
電力線通信の主な推進企業 (もちろん電力会社やメーカー) やその技術については「高速電力船通信推進協議会」のwebサイトがあるので深くは触れませんが、どっちにしてもバックボーンには光ファイバが必要だったりするわけなので、光ファイバ自体を安く手っ取り早く敷設できる方向に総務省は協力しないのですかね。まあ、NTTに深くメスをいれるのも難しいのか。。。日経BP記者の目などを読むと、どうよ? という気分になりますものね。

*** 追記 ***

イギリスの調査会社の発表によると、9月末の世界のブロードバンド加入者数が、前年同期比53%増の1億3640万人に達したと発表した。日本は加入者数では世界3位だが、普及率ではベスト10から脱落、後発国に追い抜かれた。
 加入者数が最も多いのは米国で3170万人、2位は中国で2220万人。日本は1720万人で3位を維持したが、中国との差が広がっている。日本は昨年末まで2位だったが、中国に追い越された。
 普及率(人口100人当たりのブロードバンド回線数)が最も高いのは韓国で約25回線、2位は香港で21回線。以下はデンマーク、オランダ、カナダなどとなっている。6月末時点では日本が世界9位に食い込んでいたが、イスラエルが9位に浮上した結果、ベスト10から押し出された。

いやはや、日本としては焦り! なのでしょうかね。

でも、先日の日経産業新聞に出ていたが、東芝の DVD レコーダが外出先から予約できる機能を持つためインターネット接続をしていたら、スパムの踏み台になっていたという事例が既に出ているとか。FTTHADSLもつなぎっぱなしで踏み台にされることが多い。手軽に電力線でインターネットにつながるようになったら、こうしたセキュリティ対策を家電がどんどんしていかねばならないことになりますよね。まあ、ネットワーク機器のメーカーはどんどんセキュリティ機能を増強しているのですが、家電メーカーは大丈夫?