メッシュ・ネットワーク (序章)

お休みに家で仕事をしなければ・・・とPCを立ち上げたのですが、あまりその気になれなかったので、ちょっと興味のある方から先に。
先日来、メッシュ・ネットワークのことをきちんとまとめようと思っていたら、友人からwhite paper をもらったので、翻訳しつつ、ちょっとお勉強。
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ノートPCやPDAとワイアレス・ネットワークがあれば、仕事場とかインターネットに接続できるどこかにいなければならないという束縛感無しに、少し前までは考えられなかったような自由さで、いつでもどこででもつながるという便利さを享受できる。しかし皮肉なことに、そのアクセスポイントには、プライベート・ネットワークやインターネットに接続するために、かえって多くの有線接続が必要である。このケーブル敷設がコスト高をもたらすし、通常業務の妨げにならないようにきちんと計画され、スケジュールされなければならない。許認可の問題だけでなく、銅線や光ファイバの敷設には並々ならぬ作業が必要とされる。結局のところ、ワイアレス・ネットワークで一番コスト高になるのは、このケーブル敷設の部分である。実際、ワイアレス・ネットワークの発展を妨げていたのは、こうしたケーブル敷設が持つ問題であった。
では、こうしたケーブル敷設の問題を最小限にするためにはどうするか? ここで浮かび上がってくるのがワイアレス・メッシュ・ネットワークなのである。「ホットスポット」という点を中心としたワイアレス接続ではなく、建物全体または大学のキャンパス全体をカバーする「ホットゾーン」またはメトロポリタン・エリアをカバーするくらいの「ホット・リージョン」を作り出すような技術である。単純にノートPCなどをワイアレスで接続するという基本的な無線LANとは異なり、ワイアレス・メッシュ・ネットワークはコスト高のケーブル敷設なしで柔軟なワイアレス接続を実現する。
今まで記述したようにケーブル敷設がなければワイアレス接続の導入は非常にコスト安になるし、運用も簡単にすることができる。ケーブルが無いということはネットワーク自体がいかようにでも変化できる柔軟性を持つということなのである。インターネットはそれ自身が巨大なメッシュ (網) を構成している。ワイアレス・メッシュ・ネットワークも同様に拡張性や信頼性を持つものと考えられる。メッシュは、数日、数週間という時間のかかるものではなく、数時間で導入できるものであるし、設定に煩わされるものではない。また、自動的に管理される部分が多いので、運用も拡張も容易である。このようにワイアレス・メッシュ・ネットワークの最終ゴールというのは、有線ネットワークよりも安いコストで完全なワイアレス・ネットワークを構築することである。
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非常にアメリカ的なwhite paper の書き出しですね。でも実際、ケーブル敷設という作業は手間もお金もかかるものです。ネットワーク業界xx年というのは、ケーブル1mなんぼの世界から始まっていますからね。いまや部材の一部となっているハブ/スイッチを高々数十万で売っていた時代を知っていますから。
さて、それならばせっかく敷設したケーブルを有効活用するのも手だと思いませんか。先日、セブン・イレブンの事業主でもあるイトーヨーカドーがNTT Com をインフラ提供者として全国に巨大な光ファイバ網を敷設中という記事がありましたが、これを会社内イントラネットだけではなく、一般ユーザにも一部開放しないのですかね? Seven Eleven でPCワイアレス接続というのは余りイメージ的に合わないのですが、何か活用できれば日本の e-Japan化はもっと進むはず。どうでしょうね。
メッシュ・ネットワークの続きはまた後日。